よくわからない衝動に任せて綴る雑記的な何か

ゲームとかカードとか音楽とかなんか色々語ります

蚊と格闘しています

夏ですね。

 

夏がどういうものかみなさんは果たして理解しているでしょうか。そう、無尽蔵に蚊がスポーンする季節ですね。

 

我が家の近所にもスポナーがあるらしく、マイクラで喩えるなら坑道の蜘蛛くらいスポーンしてきます。叩き落としても家人の血液しかドロップしないので害悪MOBとして有名です。

 

 

さて、そんな蚊ですが。小一時間ほど僕をおちょくり回してきています。目の前をブーンと飛んだり、耳元をブンブンと飛んだり、視界の端の方をうろちょろと舞ったり。

 

 

最初はハエだと思っていたので、そりゃ害虫ではあるけれど徒手空拳で対処するだけ無駄なので、静観していました。しかしふと気づいた時には足に刺し跡。かゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆいかゆい、殺す。

 

 

殺意の波動に目覚めた僕は狙いを澄まして合掌する。小さき命よ、アーメン。そんな祈りを込めた掌の中に、奴の姿はなく。ただ室内を飛び回るのみ。そっちがその気ならいいだろう、と僕は太ももを突き出し、アンパンマン並の献身精神で己の血を、子を育てんとする母に捧げようとした。

 

 

だが奴は、待てども待てどもおちょくるように部屋を飛び回るばかり。そう、奴は見透かしていたのだ。止まったが最後、叩き殺されるという未来を。強烈なはたき落としを。

 

 

いや、来いよ。獲物が肢体を惜しみなくさらけ出してんだよ。いいのか?野生に生きるものがそんな体たらくで。人類を最も多く死に至らしめた虫としての誇りは?尊厳は?あーいやいいです、来ないなら来ないでいいんですよ。別に僕も好き好んで刺されたい訳じゃないですからね。一刺しで十分子への栄養は摂取したってことでしょう。まあ痒みも収まってきたし、今回は見逃してやりますか。尊大な心でね。バイバイ、リトルモスキート。

 

 

 

部屋の中から、彼女はいつの間にか消えていた。一夜の夢だったのかとすら錯覚した。しかし、白いシーツについた赤い染みが、確かに彼女がこの部屋にいた痕跡を証明している。ああ、と小さく息を吐いて、僕は右腕に手を伸ばした。

 

「痒ぃ」